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武道空手への招待
武道空手への招待

武道空手への招待

発売日:2001年11月25日

摩文仁賢榮著

ISBN:978-4-87919-031-4 / C3075 / A5判上製 / 276頁

定価3080円(税込)

サイト内で購入する。

日本のみならず、世界の空手界の最長老、最重鎮の一人として広く尊敬を集める糸東流二代宗家の著者が、武道空手の成立と発展、上達の方法、武道の本質を開陳。


今日のスポーツ化された空手では軽視されがちな「形」を説きながら、現代武道を批判し、心技体の一致、動く禅としての空手、健康面 での効用を力説する。 *巻末に、テレビ東京代表取締役、一木豊会長のインタビューを付す。



プロローグ──武道空手の効用と楽しみ

空手は老若男女ができる武道である
体育・武育・気育としての空手
武育を求めた果ての境域からの出発
空手の健康面での効用
演武が身体に及ぼす影響の大ささ
空手をやっているからこそ命が助かった体験
気の武道としての空手の意義
空手の呼吸法には無理がない
空手三昧の境地

【第一部】武道空手の流儀

I ▼成り立ちと発展──どんな歴史があるのか

1 どんな闘争の技術か

太古の昔から人類のなかにあった無手空手の闘争形式
僧兵の武術としてあった少林寺拳法
中国拳法を栄養として独自の発展をとげた沖縄の「手」
あらゆる武道の基礎に空手がある

2 沖縄でどのように空手が発生したのか

沖縄古来の《手》
糸州安恒の形
「首里手」は示現流剣法の影響を大さく受けている
日本武道の極意は直線を使って円を描くことにある
「那覇手」は接近戦を得意とする中国南派拳法を母体としている
「泊手」は中国山東省の一漂流人が伝えたといわれる
すべての《手》を伝える流派は糸東流だけである

II ▼糸東流とはどんな流派か──創始者摩文仁賢和の教え

1 私を虜にした武道の世界

強健な身体を求めて
賢和の無欲の人生
嘉納治五郎から受けた称賛
近代空手道の父船越義珍に形を伝えた賢和
糸東流を創始する
父の跡を継いで
糸東流を興した父の目的

2 空手を学び指導することの楽しさ

どう教えたらわかりやすいか
子どもには一緒に遊びながら教える
競技形ではない伝統の形の奥行き
ヨーロッパの空手への打ち込みに学ぶ
空手の真の指導者がいなくなっている

III ▼どうすれば上達するのか──人間業の限界を破る

1 突きや蹴りだけが空手ではない

石舟斎が無刀取りに開眼するまで
自分の肉体を武器化する空手
身体各部位鍛練の工夫
ムチミをかけて突く
空手の心得があれば武道の上達が早いのはなぜか

2 受け手は撃ち手──無拍子

受けに始まり受けに終わる意義
攻撃を上回る威力で撃ちながら受ける
リズムが生み出すスピードは物理的なスピードである
受けの五原理の徹底解剖

3 技を身につけるということ

形に含まれている技法の無限の変化をどう学ぶか
武術の三法を楷まえて技を修得する
これが「引き手」の基本だ
《平安三役》の形の実戦的理解
「五十四歩」の形と不意打ちへの対処
「二十八歩」と「白鳥」の形

IV ▼現代武道を批判す予何が発展で何が退化か

1 武道のスポーツ化について

スポーツ化した空手には武術的身体操作が失われている
競技としてのスポーツと遊びとしての通過儀礼の違い
羽子板は儀礼であり遊びである
スポーツの真剣勝負と武道の真剣勝負はどこが違うか
スポーツと武道の重なるところと異なるところをどう区別するか
本来の空手には寸止めもフルコンタクトもない

2 近代競技と武道の遠い

形を演じる者の精神性を判定できない競技空手
形を分節化し説明した近代空手は進歩といえるだろうか
居着くのではなく常に意識が先行している動き
柳生流は稽古を続ける中から位をつくっていく
スポーツの身体操作は還元主義に基づいている
競技空手の古代回帰

3 なぜ心技体の一致が説かれるのか

組手のなかった時代にあった掛け試し
勝ち負けの試合ではない村和する仕合
「空手に先手なし」と禅の公案

【第二部】戦う武道と武道の精神

I ▼武道とは何か──その本質を探る

1 武道と暴力はどこが違うか

表裏一体の殺法と活法
空手の形は守礼の心を教えている
伝承の中に殺法を活法とする心法がある
合気道開祖植芝盛平の「超人技」の秘密は相手を無力化する技術にある
空手の要諦は心主体従にある

2 自然に身についた体の動きを超えること

計算できない自然の変化に対応できなくてはならない
観の目で《落露の気》とらえるところから生まれる神技
重心を瞬時に操る絶妙のポイントがある
「ナンバ歩き」と空手の順突きの関係
スポーツは腰を回転させるが武道は腰を入れる
「カニ歩さ」と膝を抜く技術の関係

II ▼勝負とはどんなことか──命のやり取りの世界

1 かつての名勝負はこんなふうに戦われた

大山倍達が語る摩文仁賢和のエピソード
空手の達人たちに武勇伝が圧倒的に少ないわけ
松村夫妻の名勝負
「人殺し」と異名をもつ猛牛との決闘
荒れ狂う猛牛への一撃

2 勝つよりも負けないこと

塚原卜伝の無手勝流
横山作次郎八段の逃げるが勝ち
大男に土下座して勝った松村宗棍
松村が琉球の宮本武蔵といわれたわけ

3 柳生流の必勝観とはどんなものか

無念無想の剣法理論とはどんなものか
相手を動かして勝つ柳生流活人剣
無刀取りを出発点とした空手
山岡鉄舟も無刀取りにたどり着いた
空手が柳生流にもっとも近いところ

4 音無しの構えとはどんなものか

浅利又七郎との対峙で開眼した山岡鉄舟
音無しの構えと「空手に構えなし」の境地
名勝負に見る「相抜け」の実際
武の極致は禅を上回る
針ヶ谷夕雲は大勢と戦うために刃引きの太刀を持った

III▼動く禅としての空手──心技体の一致

1 空手にとっての「空の境地」

君子の拳としての空手
最高の形 「壱百零八」と煩悩
空の境地へ至る手としての空手
芥川描く馬琴の厳粛なひらめき
現実の肉体をもった自分と心の奥底に秘め持つ仏性としての自分

2 動く禅と呼吸法

心技体の一致こそ動く禅としての空手である
身体を動かしたほうが心を調えやすい
天地一体を目指す調身法・調息法
気息法五つの形 呼吸には陰と陽がある

3 末乱を治む

未乱を治める技とはなにか
「猫の妙術」が語る未乱を治むる真髄
理論ではなく経験で判断すること
死地に身を置く捨て身の精神
居ながらにして未乱を治める技法と心法
《武》──永遠の未完成

編者のことは(横山雅彦)

跋文──『武道空手への招待』を読んで(一木 豊)