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遺伝子を操作する
遺伝子を操作する

遺伝子を操作する
ばら色の約束が悪夢に変わるとき

発売日:2000年11月20日

メイワン・ホー著 小沢元彦訳

ISBN:978-4-87919-147-2 / C0045 / 四六判上製 / 408頁

定価3080円(税込)

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生命現象に暴力的に介入する「悪しき科学」とそれを支える人間-生命観を科学的,論理的,社会・経済的に徹底的に批判する,勇気と指針の本.


公害問題の悲劇を最初に指摘して世界的なベストセラーとなったR・カーソンの『沈黙の春』の再来の呼び声高い,英国の女性生物物理学者による,巨大ビジネスと結託した遺伝子科学の現状への深い憂慮を込めた批判の本.
「遺伝子革命」は,果して当事者達が宣伝するように,人々にばら色の未来を約束するのか.その約束と現実を,科学的,倫理的,社会・経済的に徹底的に再検証しながら,生命現象に暴力的に介入する「悪しき科学」の欺瞞と犯罪性を鋭く摘発する.
遺伝子組み換え食品,生命の特許化,クローニング,動物工場,遺伝子治療・診断,異種間移植など,最新の科学的成果として,連日のように喧伝される,遺伝子組み換え技術を利用したテクノロジーに対し,漠然とした不安と懸念をいだく幅広い一般読者へ向けて書かれた知性と勇気に満ちた指針の書.


はじめに──本書の読み方

第1章 神をも恐れぬ同盟

「すばらしき新世界」の幕開け
遺伝子組み換え技術の問題点
まだ手遅れではない
科学は悪者ではないが,悪しき科学というものはある
悪しき科学と巨大ビジネス
バイオテクノロジーは,本質的に危険である
 ▼遺伝子の水平伝達は,広い転囲で起きる
 ▼研究室の外では生きていけないはずの細菌が, 環境内で生き残る
 ▼DNAの安定性
 ▼新しいウイルスの登場

第2章 バイオテクノロジーの現在

遺伝子工学の今と昔
「生命の特許」
商品としての生命
安全性への疑問
バイオセーフティー議定書をめぐって
安全性に関する情報工作
ヒトゲノマニア
「知的共有物」を囲い込む
「心の単一栽培」

第3章 遺伝子組み換え技術の約束と現実

遺伝子決定論のバラダイム
遺伝子組み換えは,どんな技術か?
遺伝子組み換え技術は厳密な操作なのか?
遺伝子組み換え技術は安全か?
 ▼ベクターは本当に安全なのか?
 ▼導入された遺伝子が害をなすことはないのか?
 ▼ 生態系に影響を及ぼさないことは確認されているのか
遺伝子組み換え体の不安定性
遺伝子組み換え技術の夢は実現するのか?
バイオテクノロジー産業の行き詰まり
生命の全体論的(ホリスティック)な理解を取り戻すための戦い

第4章 ネオ・ダーウィニズムの起源

旧世界を解体するために
ラマルク進化論とダーウィン進化論
メンデル遺伝学
優性・劣性という槻念とメンデル比
メンデル比への疑問
ダーウィン進化論とメンデル遺伝学:対立から統合へ
生殖質説から染色体説へ
DNAの二重らせんとセントラル・ドグマ
現代のネオ・ダーウィニズムと「利己的な遺伝子」

第5章 機械的生物学の終焉

セントラル・ドグマの崩壊
あいまいになる遺伝子の定義
 ▼分断遺伝子の発見
 ▼遺伝子発現には多くの他の領域が関与している:転写因子,調節配列
 ▼遺伝子とタンパク質との対応は単純ではない
遺伝子の発現の調節
 ▼遺伝子の不活性化
 ▼RNAエディテイング
 ▼セントラル・ドグマを超えて
流動的なゲノム
 ▼ゲノムの姿
 ▼ダイナミックに変化するゲノム
 ▼跳躍する遺伝子
 ▼増幅する遺伝子
 ▼環境がじかに遺伝子を変化きせる
 ▼遺伝子変換と協調進化
さまよえる遺伝子
獲得形質の遺伝
 ▼後成的遺伝
 ▼ゲノムDNAに誘発された変化の遺伝
 ▼体細胞から生殖細胞へのフィードパック
 ▼適応的突然変異が秩序を生む

第6章 生物多様性を破壊するバイオテクノロジー農業

バイオテクノロジー農業は食糧危機の救世主か?
不平等な権力関係が仕掛ける貧困の罠
「多収品種の単一栽培(モノカルチャー)」の失敗
遺伝子組み換え作物の現実
 ▼害虫耐性作物の問題
 ▼除草剤耐性作物の問題
バイオテクノロジー企業の本音:ターミネーター技術
実質的同等性の問題
組み換えDNAが人体に取り込まれることはないのか?
安定の鍵は,生物多様性にある
単一栽培(モノカルチャー)から種子保存運動へ
持続可能な農業への試み
バイオテクノロジー農業がもたらす危機のチェックリスト

第7章 狂暴化する細菌

猛威をふるう細菌感染症
変幻自在の細菌
抗生物質耐性のしくみ
抗生物質耐性遺伝子の起源:ネオ・ダーウィニズムでは説明できない
遺伝子の水平伝達
遺伝子の水平伝達の機構
 ▼形質転換
 ▼形質導入
 ▼接合伝達
変わる大腸菌
毒性を獲得する細菌
バイオテクノロジーが遺伝子の水平伝達を促進したのか?
人工ベタターが,遺伝子の水平伝達を促進する
細菌を「抑え込む」ことは可能か?
 ▼「裸のDNA」が健康を脅かす
 ▼新しい遺伝子や遺伝子構造物は,環境の中でいつまでも存在し続ける
 ▼「自然との戦い」を超えて

第8章 生命をもてあそぶ「世紀の偉業」

「クローン羊」ドリーの誕生をめぐって
人類を愚弄する「世紀の偉業」
「クローニング」のゆがんだ科学
動物の遺伝子操作
ヒト疾患モデル動物
医薬品を生産する動物工場
ヒトに臓器を提供するブタ

第9章 遺伝子決定論がひらく「すばらしき新世界」

科学と倫理学
遺伝病の原因遺伝子の同定
遺伝子診断の現状
遺伝子診断の限界: 単一遺伝子病の複雑さ
出生前診断
リスク遺伝子診断
着床前診断
環境と遺伝の間で:「正常」とは,どういうことか?
神経遺伝学的決定論
 ▼「攻撃性の遺伝子」
 ▼「精神分裂病の遺伝子」

第10章 遺伝子の突然変異とヒト疾患

細胞は機械仕掛けか?
生殖細胞の突然変異率
体細胞突然変異とがん
悪夢になりつつある遺伝子の夢
組み換えウイルスの脅威
ワクチンは,病気よりも始末が悪い予防法である
遺伝子組み換え医療は,国家の健康を向上させはしない
考慮すべき危険
新しい医療をめざして

第11章 新たに始まる生命の時代

遺伝子決定論を超える生
生物と種の安定性
成長の熱力学的限界
持続可能なシステムは,一種の有機体である
持続可能な経済システムのモデル
貨幣,エネルギー,エントロピー
動的囲い込み,時空の分化,相互協力

訳者あとがき

用語解説
参考文献